プロットは「書く事」を仕事にする技術

仕事で書くのは、趣味とは一味、違うのです。

最近、プロットに興味を持つ方や、プロットと言う言葉を知っている方が増えてきました。

プロットとは、800字から1000文字程度の物語のあらすじの事ですが、プロの作家(小説家、脚本家など)になりたい方は、プロットの技術は、必ず身につけるべきでしょう。

プロの仕事をする上で、プロットが必要だからです。

小説なら編集者、映画やドラマならプロデューサーと作品の企画を立てる際に、まずプロットを書いて、それを元に打ち合わせする事が常です。

逆に言えば、趣味で小説や脚本を書いている方にはプロットは要りません。趣味なら独りで書けるからです。

プロ、もしくは、コンペで入賞するレベルを目指す方は、プロットの技術を磨く事は避けられません。(コンペでもプロットがほぼ必要)

そして、プロットを学ぶ場として「作家塾」へのご入塾を、おすすめします。

私達「作家塾」では、2008年の開講以来、一貫してプロットを重視し、プロットの研究を重ねてきました。

それが、作家デビューなどの実績に繋がっています。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

脚本には業界ルールや作法があるので独学よりもプロから学ぶ事をおすすめします。

脚本には、厳格なルールや作法があります。

ここ最近、「作家塾」(映画脚本塾)では、脚本の書き方を学びたいと言うお問合せも増えてまして、久しぶりに脚本の書き方指導を行っていて賑わってます。

本来、当塾では、脚本(シナリオ)の指導もしていて、シナリオコンペでも多くの入賞を果たしていましたし、脚本家デビュー者も居ます。

脚本は、映画やドラマを作る為の設計図であると言う特性上、厳格な業界ルールや書き方がありますので、プロの脚本家が指導する当塾にて、きちんと基礎から学ばれる事をおすすめします。その方が、上達は早いです。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

短編の参考に/エドガー・アラン・ポー「大鴉」

エドガー・アラン・ポーは、今も人気がある作家です。

たまには、古典の小説をご紹介。

アメリカを代表する19世紀前半のゴシック小説家「エドガー・アラン・ポー」の短編「大鴉」は、シンプルでお手本となる部分が多い作品です。

まず、登場人物が、主人公とカラスだけ。
しかも、そのカラスは、オウムみたいに「Never more(2度とない!)」としか言いいません。

主人公が、亡くなった最愛の人の事を、夜、自宅で思いふけっている所に、カラスが飛び込んで来ます。
そして、主人公が、そのカラスに独り言みたいに話しかける事で物語が展開します。

この物語では、何か大きな事件が起こる事はありません。物語を構成する要素は、「主人公の感情の変化」です。

主人公の問いかけにカラスがオウムがえしに「Never more」と喋るのですが、主人公の感情と共に「Never more」という言葉の意味が変化していく事で物語が進んでいきます。

主人公とカラスとの間に感情のやり取りは無いので、全く主人公ひとりだけの感情で物語が展開しています。

作者のポーは、そもそも詩人出身という事で、「大鴉」でも詩人が感情豊かに詩を読み上げる様な雰囲気を持っています。

主人公の感情のみでも物語が豊かに展開できる事を実証した作品とも言えるでしょう。

とても短い作品なので、参考に読んでみると、小説や脚本の良い勉強になると思います。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

”オチ”から書く方法

推理ものに役立つ書き方です。

物語の書き方には、オチから書くと言うテクニックもあります。
まず、オチを決めてから、オチに向かって始まりから書いていくと言う方法です。

この方法は、特に「推理小説」を書く際に役立ちます。

事件解決のオチを決めてから、オチに至る展開を書いていくのです。
(推理小説でしたら、事件捜査がオチに至る展開になりますね)

また、プロの作家は、コンスタントに書く事を求められますので、オチを決めてから書く事で効率よく作品を書ける様になります。

(花野組福岡「小説講座」運営事務局)


毎日、1時間づつ書く事が作品を上手に書くコツ。

毎日、少しずつ書くと上手くいきます。

小説や脚本を上手に書くコツは、「毎日、1時間書くこと」。
時間が無い日は、30分でも大丈夫。

大事なのは、毎日、作品に向き合うこと。
それだけで、作品のアイデアが浮かび、少しづつ作品が完成します。

「作家塾」には、社会人の生徒さんも多いので、休みの日にまとめて書きますと言う方も多いのですが、それよりも、毎日、少しづつ書く方が上手くいきます。

むしろ、時間がある日でも、書く時間は「1時間以内」にして下さい。
長く書くと、集中力が途切れ、良くないアイデアを書いてしまう事もあるからです。

良い作品を作るには、良い書き方をすると上手く行きます。ぜひお試しください。

本日のポイント/上手く書くには、毎日1時間書く習慣を守る。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

「テーマ」は作家が持っているもの。選べるものではない。

「テーマ」を書けるかどうかが、本物の作家と、それ以外を分けます。

作品を書くうえで「テーマ」という言葉は良く出てきます。

しかし、「テーマ」という言葉は、なかなか曖昧で、小説や脚本の書き方の指導書によってテーマと言う言葉の捉え方が異なるので、ややこしいです。

尚、花野組福岡「作家塾」においては、「テーマ」とは作家さんが人生で大切にしている事と説明しています。もしくは、その作家の魂であるとも言います。

「テーマ」は、作品を完成させて初めて分かります。

例えば、ある作家初心者が、模範的な家族を題材にした心温まる話を書こうと思って書き始めて、自身の正直な気持ちに従って書く内に、最終的に家族がモラルを反する悪徳行為を繰り返して崩壊する悲惨極まりない話になったとしても、それが、その作家の正直な気持ちであり、感情移入して書けたと言うのであれば、それは良い作品です。また、それが、その作家の「テーマ」と言えます。(この例で言えば、反モラルがテーマでしょうか)

作家自身が書きたいと思っている事と、その作家が持っているテーマが異なる事は、初心者には良くある事です。つまり、テーマとは選べるものでは無く、そもそも作家が持っているものなのです。

テーマを書ききる事は、難しく骨が折れます。
テーマを描くには、作品を何度も書き直して完成度を高めるしか方法はありません。
特にオチのつけ方にテーマは深く関わります。

ただし、作者の妄想や欲望を書くのとは異なります。
作品とは、作者の妄想や欲望のメモでは無く、何らかの”真実”を描いた物なのです。
”真実”には、何度もリライトをする事で近づけます。

まずは、テーマを書ききる事が、作家初心者の最初の修練と言えるでしょう。
また、テーマが書けている作品は、迫力があって面白いのです。

「作家塾」では、作家さんのテーマを見つけてもらう意味もあって、プロットのリライトを重視しています。プロットを完成させる事で、自分のテーマを知る事が出来ます。
それが出来た時、「作家の自分はこういう事を考えているのだな」と言う発見と自信を得るでしょう。

”テーマ”のおさらい
1/テーマとは、その作家が信じているもの。作家の魂とも言える。
2/作家自身の正直な気持ちに従って書く事で初めてテーマが書ける。
3/作家初心者は、まずはテーマを書ききる事を目標とする。
4/テーマを書ききるには、作品を何度も粘って書き直すこと。

リライトは創作の基本の基本。

何事も上達するには繰り返しが大事。

・連載<オンライン小説講座>
今回は「リライト」についてお話しします。

リライトとは、小説や脚本を書き直す事です。
良い作品を書く上で、リライトは避けられません。

たまにリライトしないという作家さんもおられますが……正直おすすめしません。
やはり、大抵の作家さんは、リライトを何度もします。
また、多くの小説指導書でも、リライトの重要性は語られています。

では、リライトの方法とは何か?
それは何度も作品を読み返して、何度も作品を書き直す事です。

特に重要なのが作品を読み返す事です。
読む内に作品を良くするアイデアが見えてきます。
リライトする時は、頻繁に作品に目を通しましょう。

「作家塾」でも、プロットを書く段階から生徒さんと一緒に考えながら、何度も何度も作品を書き直して作品の完成度を高めています。

では、いつまでリライトすれば良いのか?

それは、作品が完成するまでです。

少なくとも作者自身で、もうこれ以上、書き直すところは無い!と自信をもって言えるまで書けたら、ひとまず完成です。
まずは、そこまで頑張りましょう。

リライトは、地味な作業ですが、作家の腕を上げるには非常に有効です。
作家の腕の筋トレとも言えます。

<リライトの方法>
1/書き上げた作品を読み返す。

2/読み返して、気づいた事、思いついたアイデアを元に書き直す。

3/読み返す・書き直すの作業を何度も繰り返し、作品の完成度を高める。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

物語の基本・「起承転結」とは何か?

承の中に起承転結があるのが最大の特徴

・連載<オンライン小説講座>
物語における「起承転結」は、国語の時間に習った起承転結とは少し違います。
それぞれ、起・承・転・結ごとに解説します。

<物語とは、主人公と準主役の関係の変化を描いたもの>

「起」では、主人公が登場する
物語の始まりが「起」です。
ここで主人公が登場し、どんな人物で、どの様な世界にいるか描かれます。
(例えば、主人子は高校生で、どこの高校に通っているか等)

「承」では、主人公が準主役と出会い、その関係性が発展する
承は、物語全体で最も分量がある箇所で、承の中に<起・承・転・結>があります。

また、「承の起」は、準主役が登場する部分です。
そして、この後、「主人公と準主役のやりとり・関係性の変化」が書かれる事になります。

例えば、恋愛ドラマであれば、主人公と準主役との心の距離が近づいたり離れたりする様子が書かれます。
主人公と準主役が敵対関係にある物語であれば「主人公と準主役(ライバル)の力関係の変化」が書かれる事が多いでしょう。(圧倒的に強い準主役に対し、主人公が努力して段々、準主役よりも強くなる等)

「転」では、主人公と準主役が最も接近する
物語で最も盛り上がる箇所です。
主人公の気持ちが最も盛り上がり、激しく動く箇所です。
ここでは、主人公と準主役の関係が最も接近します。

恋愛ドラマなら、主人公と準主役の心の距離が最も近づきます。
主人公と準主役が敵対するドラマなら、最大の激突がクライマックスで行われます。

「結」とは、主人公と準主役の関係の結末
物語がクライマックスを迎えたら、速やかにラストを迎えましょう。
結は、主人公と準主役の関係の結末を描くところです。

恋愛ドラマなら、その恋は成就したのか?失恋したのか?
主人公と準主役が敵対するドラマなら、どちらが勝ったのか?などです。

結末のつけ方は、その作者の性格・人生観とも深く関係します。
それは、作家のテーマにつながる部分です。
大切な事は、如何なる結末であっても、作者が嘘をつかない事です。

悲劇的で捻くれた結末であっても、それが作者の本心なら正しい結末と言えます。

結末は作者にとって、とても重要です。
決して妥協せず、作者が信じる真実の結末を描きましょう。
正しい結末が書ければ、それを支持してくれる人が必ず現れるのも確かなのです。

以上、「起承転結」の解説でした。
まとめると、物語の「起承転結」とは「主人公の心の変化の起承転結」です。
そして、主人公の心の変化は、基本的に準主役との関係・やり取りで変化していきます。
物語には、最低限、主人公と準主役は必要であり、その両者の関係性が魅力的であれば、面白い物語になる可能性が高まります。

また、準主役が人間でない事もあります。
準主役がもの言わぬ動物・自然・超自然である場合もあります。
有名な例では、映画「ジョーズ」がそれにあたるでしょう。

様々な小説・漫画・映画で、多種多様な主人公と準主役の関係が描かれています。
そして、名作ほど、魅力的にそれが描かれています。

ちなみに長編小説や長編映画の場合、作中で何度も起承転結が繰り返されます。
長編の物語とは、短編の連載が集合した様な作りになっています。

「作家塾」では、上記の内容を含め、物語を書く為に役立つ様々な講義も行なっています。
やはり講師から直に講義を受けた方が理解して頂きやすいかと思います。
ご興味ある方は、ひと月だけでも作家塾に参加されてみませんか?

※追記:小説・脚本の書き方ヒント集を公開しました。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

オチが書けてこそ一人前

真剣にオチを書くのは作家の最低限の良心

・連載<オンライン小説講座>
カクヨムに編集者の立場として、ラノベの現状に関する個人的な思いを書いている方がおられます。

どれも、成程と言う記事ばかりですので、小説家を志す方には勉強になりそうです。

その中で、「作家塾」的に読んで頂きたい記事が下記の「編集者の思い その7」です。

出典「編集者の思い その7」より;https://kakuyomu.jp/works/1177354054882999287/episodes/1177354054883403532

冒頭で「作品の終わらせ方にこそ作者の力量が問われる。」と書いておられます。

全く、本当に、反論の余地無く、その通り!なのです。

作品のオチは、その作者の生き方(テーマ)と深く関わる事であり、オリジナリティが非常に出る部分です。

そして、良いオチを書く事は、凄く難しく、相当な労力が要ります。

「作家塾」でも、生徒さんが作品を書く上で最も重視するのは、オチのつけ方です。

断言しますが、キチンとしたオチが書けないと作家として一人前になれません。

「作家塾」では、良いオチが書けるまで生徒さんと二人三脚みたいな感覚で、何度も何度もプロットのリライトを重ねます。

その試行錯誤が、作家としての基礎体力づくりに繋がります。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

まずは、登場人物は2人まで。

友達を参考に2番手を設定しても良いですよ。

連載・<オンライン小説講座>
生まれて初めてドラマを書く人は、まずは登場人物を2人だけにしてみましょう。
そうすると、整理して書きやすいですし、ドラマの全体像も見通しやすいです。
やはりドラマの基本は、2人のやり取りです。

その2人の関係は、親子でも良いですし、恋人でも良いですし、ライバルでも良いです。
主人公は、相手との、やりとりの中で心が変化し、葛藤し、成長する(挫折する事も)。
これがドラマの基本である事は、昔から大きく変わりません。

まずは、物語を書き慣れるまで設定もシンプルさを心がけ、短編の物語を書きましょう。
主人公の設定も、調べ物をせずに、作者の知識だけで無理なく書ける設定にしましょう。

一番、良いのは”普通の人”、つまり作者の等身大の主人公が良いでしょう。

さて、もう一度、繰り返しますよ。初心者が作品を書く上での注意点は…….。

1/登場人物は2人までにする。
2/まずは短編を書いて練習しましょう。
3/主人公は、作者自身に近い人物設定にしましょう。

どんな事でも、最初は無理せず始める事が上達のコツです。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)