”読める”だけでも仕事になる。

作品が読めれば選べる職業が増えますよ。

連載・<オンライン小説講座>
小説や脚本を書く事を学ぶと、その副産物として「作品を読める」様になります。
ここでの「作品を読む」とは、作品のテーマ、作品の構成を的確に読み解き、ここを書き直すともっと良くなると説明できるレベルで「読む」と言う意味です。

そこまで、読める様になれば、それだけでも仕事になります。
例えば、プロデューサー業にも役立つでしょうし、編集者にもなれるでしょう。
それも作家さんから、心強い味方と感じてもらえるレベルの仕事が出来る様になります。

作家さんは孤独な中で戦っていますので、作品を的確に読み、具体的なアドヴァイスをしてくれる味方が居ると有難く感じるはずです。(作家さんも色々な人が居ますので断言しませんが)

それと、作品の企画説明をする際にも「作品が読める」人は、ストーリーに関して具体的な説明が出来る様になります。また、勘に頼って受けるかなと思って作品を作って、大コケするという事も避けられる様になります。(映画の歴史上でも良くある失敗です)「作品を読める」人は、リスク管理が出来る人にもなるのです。

そういう意味で、作家業になる気がなくても、プロデューサー、編集者など、作家と共働する仕事を志しているなら、作品を書いてみるのは有効です。

特に、これから社会に出る学生さん等には、職業選択の幅が広がるので、おすすめします。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

物語の書き方は”体得”するもの

どんな芸でも身につけるには練習が必要です。

連載・<オンライン小説講座>
小説や脚本などの「物語の書き方」を学ぶ上で、これまで数多くの教材や理論、教え方などが研究され、その手の学校も数多くあります。

当塾(作家塾)にも発見した理論や教え方の蓄積はあるので、たまに学校などに出張して、学生さん相手に物語の書き方を教えたりします。理論などの考え方を知る事は大切な事です。

しかし、それだけで学生さんが物語を書けるようになるかと言うと、そんな訳は無くて、大して筆が動かない事が殆どです。逆に理論とか知識の勉強に興味なさそうな学生さんが案外書けたりします。

これは、そもそも物語を書く事に関する勘があるとか、豊かな感性がある学生さんに見られる傾向です。それは才能とも言えるでしょう。ただ、才能がある学生さんでも、それを磨かないと腕は上がりません。

結局のところ、書く事はスポーツに似ていて地道な練習が必要で、何度も何度も書いて体得するほか道は無いのです。鉄棒の逆上がりの方法を知っても練習しないと実際に出来ないのと同じです。

ちなみに、才能がある人が努力すれば良い作品が書けますし、才能がまあまあの人が良い作品を書くにも努力が必要です。どちらにしろ努力が必須ですから、作家という仕事は書く事が好きで無いと務まらないと思います。書く事が好きなら、まずは作家として最低限の才能はあると思っても良いでしょう。

努力と言うと何だか辛そうに聞こえますが、要するに書く練習を楽しんですると言う事です。楽しんで書かないと、楽しく無い作品になりますので、楽しむ事は大切です。そして、一定期間以上、頑張って書くと効果が出始めます。

当塾の傾向としては、大体、3ヶ月ほど書くと、段々と腕が上がり始めます。書きたいと少しでも思っている方には、まずは気楽な気持ちで書き始めてみると良いでしょう。3ヶ月は、案外、あっと言う間に経ちますよ

(花野組「作家塾」運営事務局)

書籍紹介「ベストセラー小説の書き方」<書きまくれ!出来れば毎日>

小説の書き方の本としては有名です。

本日は、作家初心者向けに小説・シナリオを書く参考になりそうな書籍をご紹介。

ディーン・R・クーンツ著「ベストセラー小說の書き方」(初版1981年)

これは、アメリカのベストセラー小説家&脚本家「D.R.クーンツ」氏がベストセラー小説を書くには、どうすれば良いのかを教えてくれるタイトル通りの本です。

とは言え、この本、少し古い出版物の所為か、文体が何だか読みにくく、内容も初心者には少し難しい気がします。
それでも、この本には「ベストセラー小説を書くための唯一かつ確実な極意」が非常に明快に書かれています。

その極意を、私が勝手に要約すると「書きまくれ、毎日」。

これこそが、小説を書く行為の本質を説明していると思います。

D.R.クーンツ氏は、可能なかぎり毎日書くそうで、自身の作家としての日常(なかなか辛そう)を参考例として引用しつつ、その重要性を繰り返し説いてます。
そして、毎日でも作品を書けるという事が「才能」とも言えるでしょう。プロの作家とは、そういう人達です。

これを補足説明すると、毎日、10分でも作品に目を通すという事だけでも有効です。
毎日、少しでも自分の作品を書く&読むという行為を継続して続ける事が大切なのです。

他にも、様々な小説テクニックを解説しているのですが、それらの解説よりも「とにかく書け」というメッセージが非常に力強く、作家の仕事の大変さも伝わって、そのメッセージだけで本書の目的は十分に達せられてます。

「ベストセラー小説の書き方」は、甘い内容では無いですが、それ故、真摯な姿勢で書かれた名著と言えますので、ご興味がある方はご一読ください。なかなか面白い本ですよ。

(花野組福岡「作家塾」運営部)

プロット完成までの3段階

連載・<オンライン小説講座>
プロット(物語の粗筋)の完成までに、3つの段階があります。
今回は、その3段階をそれぞれご紹介。

1段階/完成度80%……物語の構成が概ね書けている
物語が始まりから終わりまで、全体の起承転結が大体書けている状態。
まずは、この段階を目指してプロットを書きましょう。

2段階/完成度90%……クライマックスが書けている
物語の構成がほぼ完成し、更に物語のクライマックスが書けている状態。
クライマックスが盛り上がっているかどうか、何度も書き直して完成度を高めます。
何度も見直すほか、他に方法はありません。粘りましょう。

3段階/完成度100%……作家のテーマを書ききっている
これはラスト(結末)に関係する事ですが、作品を書いている作者の思いが全て書けている状態で遂に作品は完成です。
実は、この3段階目が最大の難所です。作者のテーマとは、作者自身が作品を書く中で発見していく作業です。作品を書き進める中で、「この為に作品を書いたのだな」と気づく時が来ます。そこまで書ければ、作品の完成度は、非常に高いと言えます。

以上、プロットの完成度を3段階でご説明しました。
自分で書いている小説やシナリオのプロットがどの程度まで書けたのか、チェックするヒントとして、ご活用頂けましたら幸いです。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

主人公を書く上での確認3ポイント

古来から物語の“主人公”は最重要です。

連載・<オンライン小説講座>
小説やシナリオ(脚本)で主人公を書く上で注意するポイントをざっくり3つに分けてみました。

1/主人公が最初から最後まで概ね一貫して登場している。
途中で主人公が居なくなるのは基本的に避けた方が良いでしょう。
物語とは、主人公の視点で展開し、主人公の心の動きを楽しむものだからです。その方が、お客さんが物語に感情移入しやすくなります。

2/主人公が何を目指して頑張るのかを明確にする。
物語の始まりで、主人公が何をするのか明確にして書き始めましょう。
例えばスポーツドラマなら、大会で1位を目指して頑張るとか、恋愛ドラマなら、好きな相手と結ばれたいとか、主人公が何を目指して頑張るのかはっきりさせましょう。主人公が頑張った方がお客さんは応援しやすいです。

3/結末で主人公がどの様に成長したかを書く。
結末は、作家の腕の見せ所のひとつです。
そして、物語は“入口と出口が違う方が良い”ので、主人公の内面が物語の始まりと結末で大きく異なる方が望ましいです。
物語中の経験を経て、主人公は何を得て、どの様に成長したのか?それは、物語を書き上げ、作家自身が得たものと同じなのです。
主人公の気持ちと一体化して、誠意を持って結末を描きましょう。

以上、主人公の書き方のポイント3点でした。
他にも、色々と注意すると良い事があるのですが、作家初心者の方は、上記3点を注意するだけでも、ぐっと作品の完成度が高くなると思います。

良かったら試して頂けましたら幸いです。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

小説・脚本コンペに入選する為の3つの注意点

コンペ入選を目指す上で注意する事が色々あります。

連載・<オンライン小説講座>
小説や脚本コンペで入選するには、色々と注意すべき点があります。
今回は、それをざっくり3つに分けてご紹介。

1/主人公が明確に決まっていて、主人公の行動で物語が進む。
作家初心者の作品は、主人公が誰なのか曖昧な事が案外あります。
主人公が受け身で、主人公以外の行動で物語が展開するのも作家初心者に有りがちなミスです。物語の主人公の行動で物語が動く様に意識しましょう。

2/登場人物の数が適切である。
やたらと登場人物が出てきて、物語が複雑になるミスも案外、多いです。
登場人物は、必要最小限にする、つまり物語の展開に関係ある人物のみに絞りましょう。特に書き慣れて無い内は、登場人物を2〜3人程度にすると書きやすいです。

3/きちんと結末を書いている。
作家初心者の中には、結末(オチ)を曖昧にして、「答えを読者に委ねます」と言う方も居られますが、それではダメです。
結末は、その作品で作家が書いてきた事の結論(作家が”自分はこう思う”という事)を述べる所で、作家の力量が問われる部分です。結末は明確に書きましょう。

如何でしたか?
そんなの、当たり前!というご意見もあるでしょう。

しかし、気付いたら主人公は誰!?人物多すぎ?なんて事もあるものです。

コンペ入選を目指して書いておられる皆さんのヒントにして頂けましたら幸いです。

作品を最後まで書き切る3つのルール「プロット編」

作品を最後まで書くのが苦手な方へ

連載・<オンライン小説講座>
小説やシナリオを最後(ラスト)まで書くのが難しい、途中までしか書けない、というお悩みをお持ちの方も割と居られるでしょう。

そういう方に、作品を最後まで書き易くなる3つのルールをご紹介します。
尚、今回は、プロットを書く場合です。

ルール1/時間を決めて集中して書く。
例えば1時間という制限時間を決めて、机について集中して書きましょう。
途中で、関係ない事をするのは、やめましょう。

ルール2/一気に最後まで書く。書けない時は捨てる。
集中して書き始めたら、途中で筆を止めず、最後まで書き切りましょう。
最後まで書けない作品は、直ぐに捨てて、次の作品を書きましょう。

ルール3/800字以内に収まる様に書きましょう。
短時間でプロットを最後まで書き切る為に、文字数を800字以内にしましょう。
長くなると、なかなか書き切れません。
プロットの文字数800字は、400字詰め原稿用紙2枚分です。
文字数の感覚を体得する気持ちで書きましょう。

以上が、作品(プロット)を最後まで書き切る為の3つのルールでした。
このルールを守って、何度か挑戦すれば、最後まで書き切れるかと思います。

書籍紹介「シナリオ構造論」

写真の書籍は古いですが、新しくなった本も出ています。

たまには、シナリオに関する書籍をご紹介。

世の中には、数多のシナリオの書き方に関する書籍が出版されておりますが、
小津安二郎監督の脚本家として有名な野田 高梧(のだ こうご、1893年11月19日 – 1968年9月23日)による脚本の書き方指南書シナリオ構造論は、説得力のある書籍として有名です。

名作映画の脚本を何十本も手がけた野田高梧だけに、脚本の書き方に関して、重みのある説得力に満ちた内容です。

実例を交えながら客観的に脚本を解説する構成は、さながら脚本の科学書です(私の個人的感想です)。

初版が1952年なので、文体が少し堅めで、やや読みにくいかもしれませんが、シナリオライターを志す人は、ご一読頂いて損は無いかと思います。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

書籍紹介/スティーブン・キング「書くことについて」

軽快な語り口で面白い小説ハウトゥー本です。

たまには、小説を書く上で役に立ちそうな本をご紹介します。


ご紹介する本は、スティーブン・キング著「書くことについて」(小学館文庫)
ホラー小説家として超有名なスティーブン・キングが小説の書き方について自伝的な要素も含めて書いた本です。

子供の頃、小説を書き始めた頃の事や、伴侶と出会った学生時代、作家として売れる前の頃、そして有名作家になった後、それぞれの時代の出来事をドラマチックに描写しており、さすがベストセラー作家が自ら書いた自伝は読み応えが違います。

また、同時に「売れる小説の書き方」も説得力ある語り口で指南してくれます。これを読むと、自分も明日から小説を書く気が沸き起こる、とても元気になれる本です。

ただ、スティーブン・キングがプロット(物語のあらすじ)は必要無いと言う点だけには賛同できません。

少年時代から小説を書きまくっているスティーブン・キングには、プロットは必要無いかもしれませんが、これから小説を書こうという初心者の方は、きちんとプロットを学びましょう。

初心者がプロットを知らずに書くのは、コンパス無しで大海原を航海する様なものです。万に一つ、上手く書ける事もあるかもしれませんが、プロットを書いた方が、より確実かつ短時間に作品の完成度を高める事が出来るのです。(当塾の結果が実証してます)

とは言え、スティーブン・キング著「書くことについて」は、創作に役立つ事がたくさん書いてある本ですので、おすすめです。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

「プロット」を学ぶ事が作家デビューへの近道。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』プロット (物語)

連載・<オンライン小説講座>
最近、だいぶ一般的になってきた小説・シナリオ用語「プロット」(PLOT)。

ちなみにWikipediaでは、「プロット (英語: plot) とは、ストーリーの要約である。プロットはストーリー上の重要な出来事のまとまりであり、重要な出来事とは、後の展開に大きな影響を与える出来事である。」……と、難しい説明をしています。しかし、そんなに難しく考える必要はありません。

プロットとは、簡単に言えば、「物語の粗筋」の事です。

花野組福岡「作家塾」では、2008年の開講当初から、プロットを重視し、その書き方を丁寧に指導しています。

当塾にご参加頂いた方には、まず800字程度のプロットを書くところからスタートして頂いてます。プロットを何度も丁寧に書く作業を行う事で、物語の構成、作家のテーマ、物語の盛り上げ方を体得できるのです。これは、作家にとって重要な基礎作りになります。

また、プロットは、小説コンペでも、殆どの場合、あらすじ(つまりプロット)の提出を求められます。更にプロになった後も、企画会議の際などにプロットが必要になります。プロットを書ける事が作家デビューへの大きな第一歩なのです。