「設定」は、物語上のサービスです。
物語の世界観、主人公、準主役、ライバルなど、これらが設定ですが、要は読者を楽しませる為にあります。(もちろん作家の個性とも関係しますが)
起承転結で言えば、起と承が設定が関係する箇所として重要です。
どんなに優れた「転」クライマックスや感動的な「結」ラストが書かれているとしても、起と承という物語の前半部分で読者に退屈と見なされて、途中で捨てられては、苦労も水の泡です。
起と承は、読者を最後まで導く為にも、面白そうだなと感じて貰える様に、注意深く丁寧に書く必要があります。
読者の立場に立って考える視点も作家の配慮として大切なのです。
(花野組福岡「作家塾」運営事務局)
明日、和多屋別荘にて「小説の書き方講座」2回目。
明日2/11(土)13時より嬉野温泉「和多屋別荘」にて花野純子が講師を務める「小説の書き方」講座の第2回目がございます。
今回は<素材とテーマの違い>を講義します。
参加費無料で誰でもご参加頂けます。
和多屋別荘のインスタで講座のライブ配信もします。
詳細は「和多屋別荘」公式サイト
素材とテーマの違い
以前もご説明しましたが、物語の「素材」と「テーマ」は違います。
たまにテーマと素材を混同している方がおられますので、再度、説明させて頂きます。
「素材」とは、物語のネタです。
例えば”温泉”や”お茶”をネタに小説を書く場合、これが「素材」です。
「テーマ」は作家が言いたい事です。人生で大切にしている事とも言えます。
「テーマ」はオチのつけ方とも関係します。
その作品の印象を決定づけるのはテーマです。
テーマがあやふやだと、どんなに文書表現が上手い小説でも読者に強い印象を与えられないでしょう。
作品を書く技術が極まったとしても、結局は、その作家のテーマが重要になります。
逆に言えば、書く技術が拙くとも、強いテーマがあれば、読者に強い印象を与えられます。
テーマに良い悪いは、無いです。
テーマが、きちんと書けているかどうかが重要です。
テーマがはっきり書けていると言う事が、強いテーマなのです。
また、テーマは、その作家が持っているものなので、変えようがないです。
自分のテーマが正直に書けているか、恐れずに書けているか、それが大切です。
ちなみに生き方が変わるとテーマも変わります。
その作家の人生と共にテーマはあります。
(花野組福岡「作家塾」運営事務局)
「作家塾」木曜クラスのご紹介
昨年から「作家塾」では木曜クラスを新設しました。
平日クラスですので、生徒数は多くないですが、その分、講師が、一人一人丁寧に作品を講評する事が出来ます。
ですので、平日のご都合がつく方には、木曜クラスの受講をおすすめします。
ちなみに、受講層としては女性が多いです。
最近は、木曜クラスの生徒さんも筆力がだいぶ上がってきて、プロットが完成し、脚本の本編に移行する生徒さんや、短編小説を28年ぶりに完成できて良かったと喜んで下さった生徒さん等が居られます。
まだ、コンペ入賞などの分かりやすい成果は出ておりませんが、土曜クラスよりも、ゆったりした雰囲気のクラスですので、まずは作品を完成させたい方には丁度いいかと思います。
木曜クラスへのご参加をお待ちしております。
(花野組福岡「作家塾」運営事務局)
嬉野温泉「和多屋別荘」での小説ワークショップ1回目。
先日の1月15日(日)、佐賀県・嬉野温泉「和多屋別荘」での小説ワークショップ「プロが教える小説の書き方・連続講座」の1回目が終了しました。
作家塾の講師でもある「花野純子」が講師として招いて頂きました。
当日は、プロットの書き方等を講義し、参加者の皆様に、その場で30分間でプロットを書いて頂きました。
短い執筆時間でしたが、思いの外、皆様、良い作品を書いて頂きました。
また、講義の様子は「和多屋別荘」インスタでライブ動画で配信されていて、今も自由にご覧頂けますので、ご興味がある方は、和多屋別荘のインスタをご覧ください。
次回の授業は、2月11日(土)13時〜14時30分です。
参加費無料ですので、誰でもご参加頂けます。
ご興味ある方は「和多屋別荘」公式サイトにてご確認ください。
(花野組福岡「作家塾」運営事務局)
プロットの初稿は90分で書く
プロットの書き方について、これまでも作家塾のブログで理論みたいな事をいくつか書いてまいりましたが、今回は、実際に書くにあたってのコツをお伝えします。
・<手書きが良いです>
手書きの方が感情が入り易いです。これは手書きの手紙の方が心がこもっていると言われるのと共通しています。
・<90分くらいは時間をとって書く>
新たなプロットを書き始める際には、90分くらいは時間を確保しましょう。
・<集中できる環境で書きましょう>
静かな自室、図書館など集中出来る場所で書きましょう。一度、書き始めたら集中し、書く事だけに専念しましょう。
・<一気に最後まで書きましょう>
90分以内で、始まりから終わりまで書かれたプロットを一気に書きましょう。多少、荒削りでも構いません。オチまで取り敢えず書いてみましょう。
・<オチまで書けなかったプロットは捨てる>オチまで書けなかったプロットは捨てていいです。
・<オチまで書けたプロットから良いのを選びましょう>もし、オチまで書けたプロットがいくつか出来た場合は、その中から一番良いと思えるものを選びましょう。
・<オチまで書けたプロットを次回以降、リライトしていく>オチまで書けたプロットが出来たら、ひとまず終了です。
次回以降、リライトをしていきます。イマイチだと思う箇所を直していきましょう。
リライト作業まで来れば、書く時間は30分でも良いですし、時間がなければ読むだけでも良いです。
しかし、出来れば60分〜90分の時間が取りたいものです。
・<1日、90分以上は書かない>
逆に1日、90分以上は書かないでおきましょう。集中力が切れて、良くないアイデアを書いてしまうからです。
以上が、プロットを書き始める際のコツです。
コツを掴めば、より書きやすくなると思います。
(花野組福岡「作家塾」運営事務局)
第22回「女による女のためのR-18文学賞」 で一次予選を通過。
先日、「作家塾」の生徒さんが応募した「第22回女による女のためのR-18文学賞 」で一次予選を通過しました。
このコンペは、最近、レベルが高く、一次予選通過でも、大きな成果です。
ひとまず、おめでとうございます!
(花野組福岡「作家塾」運営事務局)
「三服文学賞」の無料小説講座にて講師をします。
嬉野温泉「和多屋別荘」が主催する日本初・温泉宿主催の文学賞「三服文学賞」が第1回の募集を開始しています。
作品の募集期間は、2022年11月〜2023年3月19日までにWEBか郵送での作品を投稿、もしくは直接、和多屋別荘に作品をご持参ください。
応募ジャンルは、小説、短歌、俳句、エッセイなど幅広い文学ジャンルで応募できます。
文字数制限は2000字以内。原稿用紙5枚までとなっています。
そして、大賞は賞金10万円と和多屋別荘に1年間宿泊できる特典付きです。
ユニークな文学賞ですので、皆様、応募されては如何でしょうか。
詳細は、以下のサイトでご確認ください。
そして、「三服文学賞」の関連企画として和多屋別荘にて開催される小説講座「プロが教える、小説の書き方連続講座」に花野組福岡作家塾の講師「花野純子」が登壇します。
・開催日時:2023年1月15日(日)、2月11日(土)、3月5日(日) 、各日13:00~14:30
参加無料の講座ですので、和多屋別荘に温泉に入るついでにご参加頂けましたら幸いです。
三服文学賞に応募する作品を書くための取材にもなりますよ。
無料小説講座の詳細は、下記のサイトでご確認ください。
物語の“入り口”と“出口”が同じでも許されるには?
基本的に、物語の始まり「入り口」と、物語の結末「出口」は、大きく変化していた方が望ましいです。
例えば、弱虫だった主人公が、困難を乗り越え、最後は強くなる。
もしくは、悪人だった主人公が、最後は改心し、良い人間になるとかです。
しかし、中には、主人公が最初から最後まで変わる事なく終わる物語の書き方もあります。
ただ、そういう物語は、基本的には、あまり面白くありません。
例えば、何処にでも居る平凡な主人公が、最後まで平凡なまま終わっても、だから?という印象を読者に与えてしまいます。
(そういう作品は、通好みの作品になる可能性はありますが)
物語の入り口と出口が同じでも、読者に面白い印象を与えるには「書いている内容に迫力がある」事が重要です。
例えば、異常な主人公が、異常な行動をして、異常なまま終わる……と言うのであれば、読者は面白いと言ってくれる可能性が高まります。
そういう作品は、カンヌ映画祭の様なアート色が強い作品が好まれる市場に多いかと思います。
文学なら、芥川賞の様な純文学がそういう傾向にある様です。
また、時代の欲望を描いた場合でも読者が面白がってくれる事があります。
時代の欲望は、時代ごとに変化していきますが、今はこれが求められている!と敏感に察知して誰よりも早く作品にしてしまうのも、作家の一技術である事は確かです。
ただ、入り口と出口が同じ作品は、飽きられやすいと言う弱点があります。
一時は、もてはやされた作家でも、入り口と出口が同じ作品しか書けないと、数年で書けなくなるか、飽きられます。
そうして消えていく作家は、案外、多いのです。
やはり、物語の入り口と出口は少しでも変えるという事を基本として書く努力をする方をおすすめします。
(花野組福岡「作家塾」運営事務局)
<余計な言葉をすべて削れ>スティーヴン・キング「書くことについて」より
小説家スティーヴン・キング氏(以下、キング氏)の著書「書くことについて」は、キング氏の自伝的要素もある小説の書き方入門書で、かなり実用的です。
特に、第20章でのキング氏が高校生の時に地方週刊新聞紙でライターのバイトをした話は、小説に限らず、文章家を志す人にとって役立つ内容です。
キング氏は「書くことについて」の中で、バイト先の上司ジョン・グールド氏から受けた新聞記事の手直しが、大学などで数年にわたって学んだ事より遥か多くの事を教えてくれたと述べています。
キング氏が学んだ事は、ライターなど、プロで文書を書いている人にとって、ごく基本的な技術です。
それは「書くことについて」での言葉を借りれば<余計な言葉は全て削れ>です。
補足説明すると……
①文中で同じ言葉を何度も使わない。
②比喩表現を使いすぎない。
③なるべく文書を短くする。
④難しい漢字や単語を使わない。
こうする事で、文書は読みやすくなります。
新聞記事などが良い例です。
「書くことについて」には、当時、キング氏が書いた記事がどの様に手直しされたかの実例も掲載されていますが、分かりやすいので、是非、見て欲しいです。
小説を書きたい人は、文書を長々と書く傾向があります。難しい漢字や比喩表現も使いたがります。
しかし、小説と言えども<余計な言葉を全て削り>、文書を読みやすくする配慮をすべきです。
読みやすい文書は、快適な読書の時間を読み手に提供します。
(花野組福岡「作家塾」)