素材とテーマの違い

作品にとって、最終的に重要な事は「テーマ」です。

以前もご説明しましたが、物語の「素材」と「テーマ」は違います。
たまにテーマと素材を混同している方がおられますので、再度、説明させて頂きます。

「素材」とは、物語のネタです。
例えば”温泉”や”お茶”をネタに小説を書く場合、これが「素材」です。

「テーマ」は作家が言いたい事です。人生で大切にしている事とも言えます。
「テーマ」はオチのつけ方とも関係します。

その作品の印象を決定づけるのはテーマです。

テーマがあやふやだと、どんなに文書表現が上手い小説でも読者に強い印象を与えられないでしょう。

作品を書く技術が極まったとしても、結局は、その作家のテーマが重要になります。
逆に言えば、書く技術が拙くとも、強いテーマがあれば、読者に強い印象を与えられます。

テーマに良い悪いは、無いです。
テーマが、きちんと書けているかどうかが重要です。
テーマがはっきり書けていると言う事が、強いテーマなのです。

また、テーマは、その作家が持っているものなので、変えようがないです。
自分のテーマが正直に書けているか、恐れずに書けているか、それが大切です。

ちなみに生き方が変わるとテーマも変わります。
その作家の人生と共にテーマはあります。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)