・連載<オンライン小説講座>
物語における「起承転結」は、国語の時間に習った起承転結とは少し違います。
それぞれ、起・承・転・結ごとに解説します。
<物語とは、主人公と準主役の関係の変化を描いたもの>
①「起」では、主人公が登場する
物語の始まりが「起」です。
ここで主人公が登場し、どんな人物で、どの様な世界にいるか描かれます。
(例えば、主人子は高校生で、どこの高校に通っているか等)
②「承」では、主人公が準主役と出会い、その関係性が発展する
承は、物語全体で最も分量がある箇所で、承の中に<起・承・転・結>があります。
また、「承の起」は、準主役が登場する部分です。
そして、この後、「主人公と準主役のやりとり・関係性の変化」が書かれる事になります。
例えば、恋愛ドラマであれば、主人公と準主役との心の距離が近づいたり離れたりする様子が書かれます。
主人公と準主役が敵対関係にある物語であれば「主人公と準主役(ライバル)の力関係の変化」が書かれる事が多いでしょう。(圧倒的に強い準主役に対し、主人公が努力して段々、準主役よりも強くなる等)
③「転」では、主人公と準主役が最も接近する
物語で最も盛り上がる箇所です。
主人公の気持ちが最も盛り上がり、激しく動く箇所です。
ここでは、主人公と準主役の関係が最も接近します。
恋愛ドラマなら、主人公と準主役の心の距離が最も近づきます。
主人公と準主役が敵対するドラマなら、最大の激突がクライマックスで行われます。
④「結」とは、主人公と準主役の関係の結末
物語がクライマックスを迎えたら、速やかにラストを迎えましょう。
結は、主人公と準主役の関係の結末を描くところです。
恋愛ドラマなら、その恋は成就したのか?失恋したのか?
主人公と準主役が敵対するドラマなら、どちらが勝ったのか?などです。
結末のつけ方は、その作者の性格・人生観とも深く関係します。
それは、作家のテーマにつながる部分です。
大切な事は、如何なる結末であっても、作者が嘘をつかない事です。
悲劇的で捻くれた結末であっても、それが作者の本心なら正しい結末と言えます。
結末は作者にとって、とても重要です。
決して妥協せず、作者が信じる真実の結末を描きましょう。
正しい結末が書ければ、それを支持してくれる人が必ず現れるのも確かなのです。
以上、「起承転結」の解説でした。
まとめると、物語の「起承転結」とは「主人公の心の変化の起承転結」です。
そして、主人公の心の変化は、基本的に準主役との関係・やり取りで変化していきます。
物語には、最低限、主人公と準主役は必要であり、その両者の関係性が魅力的であれば、面白い物語になる可能性が高まります。
また、準主役が人間でない事もあります。
準主役がもの言わぬ動物・自然・超自然である場合もあります。
有名な例では、映画「ジョーズ」がそれにあたるでしょう。
様々な小説・漫画・映画で、多種多様な主人公と準主役の関係が描かれています。
そして、名作ほど、魅力的にそれが描かれています。
ちなみに長編小説や長編映画の場合、作中で何度も起承転結が繰り返されます。
長編の物語とは、短編の連載が集合した様な作りになっています。
「作家塾」では、上記の内容を含め、物語を書く為に役立つ様々な講義も行なっています。
やはり講師から直に講義を受けた方が理解して頂きやすいかと思います。
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※追記:小説・脚本の書き方ヒント集を公開しました。
(花野組福岡「作家塾」運営事務局)