「作家塾」はラジオドラマのコンペでも数多くの入賞を果たしています!
本日は、唐突ですがラジオドラマの魅力を語ります。
ラジオドラマは、文字通りラジオで流れる音声のみのドラマの事です。
また、声優ブームの頃から、音声ドラマをオーディオドラマとも言う様になりました。
とはいえ、個人的には「音声ドラマ=ラジオドラマ」と言った方がしっくり来ます。
ラジオドラマはテレビが普及するまでは、とても流行りました。
名作のラジオドラマも沢山あったのです。
しかし今では、NHK-FMなどが僅かながらラジオドラマを作り続けている程度で、大人気とは言い難いです。ラジオドラマなんて聞いた事ない人もいるかもしれません。
これでは、ラジオドラマが、ダメな表現分野みたいに思えるかもしれませんが、音声のみで表現すると言うシンプルさ故に、今でも変わらない良さがあります。
特に、脚本家を育てるうえで有効なのです。
①音声のみと言うシンプルな表現なので、制約も少なく、脚本の初心者が挑戦しやすい。
脚本の書き方に慣れていない作家の初心者にとって、ラジオドラマの脚本は書き方が映像の脚本よりもシンプルなので挑戦しやすいです。また、音声だけなので表現の制約も少ないです。例えばお金がかかりそうな歴史ドラマでも音声だけなら簡単です。
②脚本家としてセリフなど言葉の表現力が磨かれる。(演出家も同じく)
音声のみ故に、逆に面白く聞かせるのが難しいとも言えます。その為、セリフなど言葉で楽しませる工夫も必要になります。それが良いセリフを書く練習にもなるのです。
また、これは脚本家に限らず、演出家にとっても、音でドラマを表現するにはどうすれば良いのかと考える事で、ドラマの演出力が鍛えられます。実際、NHKでは若手監督の修行としてラジオドラマの演出をさせるそうです。
③思い切ったテーマに挑戦できる。
ラジオドラマは音声のみの表現である故に、昔から思い切ったテーマに挑みやすい分野でもあります。映像だったら生々しくなりやすい表現でも、ラジオドラマだと受け入れやすいと言った事もあります。それは演じる俳優さんにとっても同じで、映像で実際に演じるとなるとハードルが高い表現でも、声だけなら演じられるという事も割とあるのです。
この様にラジオドラマは脚本家を育てる上で有効です。
また、ラジオドラマの脚本家出身の小説家も少なくありません。
花野組福岡「作家塾」でも、ラジオドラマのコンペに生徒さん達が積極的に挑戦して、数多くの入賞を果たしましたし、作家デビューした人もいました。
最近は、ラジオドラマのコンペで良いのが少ないので残念です。
ラジオドラマは、小説・ドラマ・映画界の人材育成に役立つので、良いコンペが増えれば良いなと思います。
ラジオドラマは、すぐ目の前に登場人物がいる様な臨場感や温かみが出せるのが面白く、これは映像には真似できない強みだと思います。
また、ラジオから聞こえてくるという点にも意味があると思います。(同時刻の多数のリスナーの共有に意味があるのです)
ラジオドラマは、娯楽分野としても、今でも魅力がある分野です。
今後、このジャンルの人気が復活する可能性も十分にあると思います。
(花野組福岡「作家塾」運営事務局)