AIには「テーマ」が持てない。生きてないから。

最近、小説・脚本界隈でもAIの登場は大きなインパクトがあって、悲喜交々、様々な意見が飛び交っています。

ところが、それら意見の中で、あまり言われていない事として「テーマ」の問題があります。

小説・映画などの物語には、必ず「テーマ」があります。

ここで言う「テーマ」とは「お題」の事で無く、「作家が作品で述べたい事=テーマ」と言う意味です。

その上で、はっきり言える事は、AIには「テーマ」がありません。
何故なら、AIは、生きた存在では無いからです。

「テーマ」は、作家の人生と共にあります。

その作家が、どの様な生き方をしてきたか?と、言う事が「作家が作品で述べたい事=テーマ」に強い影響を与えます。

作家の人生ごとに、その作家のテーマがあり、それが作家の個性に繋がるのです。

それ故、人生を歩んでいないAIには「テーマ」が無いと断言できます。

また、AIには「作家としての拘り」も無いでしょう。

今後、科学が発達し、鉄腕アトムの様に人間同様に長い時間をかけて育てられて「心」が芽生えたら話が別ですが、現在の人類の科学力では、遠い未来の話になりそうです。

尚、いずれ「物語の書く道具としてのAI」の正しい使い道が分かってきて、小説や脚本の世界でも、AIは重要な存在になるかと思います。

ただ、その道具を巧みに使う為にも、AIに頼らず物語を書き、自分のテーマを理解しておく事が大切では無いでしょうか。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)