
物語とは何か?と問われると、概ね「主役と準主役が近づいていく様子を描いたもの」と説明できます。
物語は、主役の視点で動きますが、主役が何を目的に動いているかと言うと、殆どの場合、「準主役」に近づく事を目的としています。
例えば、恋愛ドラマなら、主人公が恋する相手(準主役)と結ばれたくて近づくでしょう。
刑事ドラマなら、主人公が刑事で、犯人(準主役)を逮捕しようと追いかけるでしょう。
スポーツ漫画なら、主人公が強いライバル(準主役)の強さに追いつこうとするでしょう。
と、いう感じで、世の中の様々なドラマが主人公と準主役の接近を描いています。
例外もあるかもしれないので絶対とは言えませんが、多くの場合そうなっています。
特にメジャー作は、その傾向が強いです。
主人公と準主役の接近は、多くの人が理解しやすい題材だからでしょう。
重要なのは、主人公と準主役の接近とは、「心の接近」と言う事です。
心の接近は、緊張感を生みます。
恋愛ドラマに例えるなら、ドキドキする気持ちと言う事です。
(恋愛ドラマが分かりやすい事例なので引用してます)
そして、二人の心の距離が最も近づく瞬間がクライマックスです。
恋愛ドラマに例えるなら、告白する瞬間などでしょうか。
更に、二人の関係の結末(二人の関係の結論)がオチになります。
恋愛ドラマに例えるなら、主人公が準主役と結ばれたり、振られたりという事になります。
以上の事を踏まえると、物語には最低でも、主役と準主役が必要であり、その二人が居ればドラマは成立します。
また、主人公と準主役の関係が、その物語のテーマにも関わってきます。
二人の関係のオチ(結論)が、テーマに繋がるからです。

ちなみに、映画史上、非常にユニークな主人公と準主役の関係を描いた作品として「2001年宇宙の旅」もご紹介しましょう。
「2001年宇宙の旅」は、一見すると、主人公が居るような居ないような、何とも不思議な構成をしています。
コンピューター・ハルが目立っているので、これが主人公みたいにも思えますが、「2001年宇宙の旅」のテーマ「人類の進化」から考えると、主人公が「人類」で、準主役が「宇宙人(究極に進化して神に近い存在)」です。
主人公は人類なので、最初のシーンで猿みたいな原始的な人類が登場し、準主役である宇宙人(モノリス)との出会いから壮大な物語が始まります。
この物語では、主人公「人類」が長い年月をかけて進化し、「宇宙人」に少しづつ近づいていく構成になっています。
ユニークな設定の映画ですが、やはり主人公と準主役の接近を描いているのです。
他にも主人公と準主役の設定がユニークな物語は色々とあるかと思います。
また、面白い物語を作り出すには、主人公と準主役の関係の設定が重要であり、そこに知恵を絞るべきと言えるでしょう。
(花野組福岡「作家塾」運営事務局)