本日の作家塾では、簡潔な文書の書き方について講義しました。
脚本の場合、簡潔に文書を書く事は、基本です。
ト書きは、1行に収まる様にしましょう。
また、セリフは2行以上にしないという作法もあります。
最近の映画は、セリフが多い傾向にあります。
しかし、セリフは、基本的には自然な範囲内で、簡潔に書くという事を心がけましょう。
セリフが簡潔で言葉にし易いかどうか、実際に声に出して確かめると言う脚本家もいるらしいです。(声に出さずとも確認できると思います)
セリフが簡潔だと良い事が沢山あります。
セリフが簡潔だと、俳優さんが覚え易いですし、撮影と編集がし易いですし、何より映像にした時に観客が聞き取り易いのです。
次に、小説の場合は、脚本と少し事情が変わってきます。
著名な小説家の中には、読みにくい文書を書くタイプも居るからです。
文書に酔いしれたかの様に、美麗な言葉を書き連ねる作家さんも少なからずいます。
しかし、そう言う小説は、言葉の強さや魅力がある反面、少々、読みにくくもあります。
最近の小説は、誰が読んでも容易に分かる、読み易さを重視する傾向にある様です。
小説においても、基本的には、簡潔な文書を心がけましょう。
この場合に大切なのは、主語と述語を明確にする事と、主語に飾り言葉を足さない事です。
特に主語の枕に、様々な言葉がつくと、かなり読みにくくなります。
主語は簡潔にしましょう。
簡潔で読み易い文書は、読んでて心地良くなりますし、物語の世界にも感情移入し易くなります。読者に快適に小説を読んで頂くと言う事は、作家がすべき配慮の一つなのです。
尚、文書を簡潔に書く事の大切さに関して、以前もご紹介した、スティーヴン・キング著「書くことについて」に分かり易く書いてあります。一読の価値がある本です。
(花野組福岡「作家塾」運営事務局)