「主題」は進化する。永遠に。

作家の主題は作品を作り続ける限り”進化”する。

連載・<オンライン小説講座>
 前回の作家塾では、小説家やライトノベル作家の「主題」が進化するという講義をしました。

 「主題」とは、その作家が作品を通じて表現したい事です。主題は、基本的に作家の無意識下に存在します。作品を書くと、自然と現れるものと捉えてもいいでしょう。「主題=作家の魂そのもの」と言う事もあります。

 作家が作品を書き始めた当初は、手を変え、品を変え、「同じ主題」でいくつかの作品を生み出す事になります。ところが、作品を書き重ねていく中で、作家の無意識下の主題は、子供が成長するかの如く変化し、やがて「新しい主題」が登場する事となります。

 恐ろしい事に、この新しい主題が、それまでのファンに受け入れられるとは限りません。
また、場合によっては、「新しい主題」も登場せず、主題そのものが消失し、作家が作品を書けなくなる事もあります。どんな人気作家でも、この問題は平等に訪れ、中には問題から目を背け、惰性でファンが気に入りそうな作品を書き続ける作家もいます。(これは仕事だと自分に言い聞かせながら)

 しかし、無事、「新しい主題」を獲得し、進み続ける作家も大勢います。いわば、主題と共に、作家も次のレベルに進化するのです。そうして、新たなファンを獲得し、更に精力的に作品を書き重ね、また次の主題に進化し・・・というサイクルが続きます。この進化の道は、作家が作品を書き続ける限り終わる事はありません。命ある限り続く果てしない道なのです。

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