【三服文学賞イベント第2弾】プロが教える、小説の書き方講座 1月28日に開催します!

<今年も作家塾・花野純子が講師を担当させて頂きます!>

昨年に引き続き、佐賀県・嬉野温泉「和多屋別荘」内にある「BOOKS&TEA三服」にて作家塾・花野純子が講師を担当させて頂く「プロが教える、小説の書き方講座」が開催されます。

これは、和多屋別荘が主催する小説コンペ「三服文学賞」の関連イベントで、とても綺麗なブックカフェで小説の書き方の基礎を楽しく学べる講座です。

参加費は、無料なので、嬉野温泉に遊びに行くついでに、ご参加頂けましたら幸いです。

詳細の確認・ご参加申し込みは、和多屋別荘の公式サイトをご覧ください。

・和多屋別荘「プロが教える、小説の書き方講座」詳細・参加申し込み

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

作家塾・今年もよろしくお願いいたします。作家塾の近況も。

もう1月も半ばですが、新年のご挨拶と作家塾の近況をご紹介します。

3月に制作している映画の上映会を控えている関係で、ブログの更新が滞りがちです。
今年は、ブログが少しでも停滞しない事を目標にしたいです。

さて、昨年は、作家塾の生徒の皆様に頑張って頂いたお陰で、いくつかの小説・脚本コンペで入選まで、あと一歩と言う所までの結果が出せました。また、今現在、一次審査を通過し、選考中の作品もいくつかございます。

近年の小説・脚本コンペは、かなり応募数が多く、予選を突破するだけでも何十倍という倍率を勝ち抜かなければならないので、最終選考にまで残った事は凄い事だと言えます。

今年こそは、入選という結果が出る事を期待しています。

作家塾の近況をご紹介しますと、今現在の、やや女性が多く、20代〜60代の世代の方々にご参加頂いています。

また、最近は、新たにご入塾したばかりの方が半数くらいでして、基礎的な講義も含めて、初心者向けの授業が少しだけ多めになっています。

講義内容としては、物語の起承転結の意味や、プロットの書き方の基礎などです。

初心者の方にご参加頂くには、今は、参加しやすい雰囲気かと思います。

少しでも、作家塾に、ご興味がある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

今年も、何卒よろしくお願いいたします。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

2023年の作家塾を振り返って。

先日、年内最後の作家塾の授業が終わりました。
そこで、2023年の作家塾を振り返ってみます。

今年は、コロナが終息した事も関係したのか、年間通して生徒さんの数が多く、20代〜60代と幅広い世代の生徒さんが楽しく切磋琢磨し、活気がある授業が展開できたと思います。

また、受賞こそしなかったものの、「ロマン大賞」や「新人シナリオコンクール」等の小説や脚本のコンペで最終選考まで残り、惜しい所まで進んだ事例が幾つもありました。

そういう意味で、惜しかったけれども、生徒さんの実力は着実に磨かれた年であったと思います。来年に大いに期待出来るとも言えるでしょう。

尚、年明け前半には、作家塾の授業以外に、学IWATAYAなどで作家塾・出張授業も担当させて頂く予定です。

そういった情報も、年始から、順次、ご紹介させて頂きます。

来年も、作家塾の活動にご注目頂けましたら幸いです。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

映画のファーストカットとラストカットの決め方。

Cinematographer Arthur Edeson, Humphrey Bogart and Ingrid Bergman, “Casablanca” 1942 Warner

今回は、映画の話をさせて頂きます。

それも、ファーストカットとラストカットに特化した、ややマニアックは話題です。

映画の始まりの一番最初の映像が「ファーストカット」
映画の終わりの一番最後の映像が「ラストカット」

この両者をどんな映像にするのか、実は、かなり難しいです。

ファーストカットは、その映画の世界にお客さんを誘う(いざなう)ものです。
それ故、ファーストカットの画がどうでも良い筈がなく、誠実な映画の作り手なら、どんな画にするべきか、あれこれ検討します。

派手なら良いとか言う単純な問題ではなく、その映画を象徴する物でなければ、お客さんの心に深く届きません。

それは、映画監督の作家性とも関係します。

映画の巨匠たちが作る映画のファーストカットは、作家毎に千差万別で独自性があります。
ベルイマンの「叫びとささやき」、キューブリックの「2001年宇宙の旅」、黒澤明の「影武者」….例を挙げたらキリがありませんが、どれも素晴らしいファーストカットです。

また、逆にラストカットですが、これは、新体操の着地に相当する物で、綺麗な着地が求められます。
映画を観ていただいたお客様に素晴らしい余韻を持って映画館を後にして頂く為にも重要です。
ラストカットは「終わり良ければ全て良し」であると同時に、「終わり駄目なら全てが無駄」に成りかねないのです。

映画の巨匠による映画のラストカットも、千差万別であり、素晴らしい物ばかりです。
ミロス・フォアマンの「アマデウス」、キャロル・リードの「第三の男」、変わり種では、ジョン・カーペンターの「ゼイリブ」のラストカットも皮肉っぽくて良いですね。

映画のファーストカットとラストカットが重要で深刻な物である事を少しでもお分かり頂けたでしょうか。

そして、この映画のファーストカットとラストカットは、大抵の場合、制作工程の、最後の最後に同時に決まります。

映画のファーストカットとラストカットが決まった瞬間は、映画が作り手の手を離れる瞬間でもあります。

その瞬間は、達成感・安心感と共に、長い旅の終わりの寂しさも伴う物です。

これは、映画の作り手のみが味わう感覚と言えるでしょう。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)



AIには「テーマ」が持てない。生きてないから。

最近、小説・脚本界隈でもAIの登場は大きなインパクトがあって、悲喜交々、様々な意見が飛び交っています。

ところが、それら意見の中で、あまり言われていない事として「テーマ」の問題があります。

小説・映画などの物語には、必ず「テーマ」があります。

ここで言う「テーマ」とは「お題」の事で無く、「作家が作品で述べたい事=テーマ」と言う意味です。

その上で、はっきり言える事は、AIには「テーマ」がありません。
何故なら、AIは、生きた存在では無いからです。

「テーマ」は、作家の人生から発生するものです。

その作家が、どの様な生き方をしてきたか?と、言う事が「作家が作品で述べたい事=テーマ」に強い影響を与えます。

作家の人生ごとに、その作家のテーマがあり、それが作家の個性に繋がるのです。

それ故、人生を歩んでいないAIには「テーマ」が無いと断言できます。

また、AIには「作家としての拘り」も無いでしょう。

今後、科学が発達し、鉄腕アトムの様に人間同様に長い時間をかけて育てられて「心」が芽生えたら話が別ですが、現在の人類の科学力では、遠い未来の話になりそうです。

尚、AIの技術を否定するつもりは全く無いです。
いずれ「物語の書く道具としてのAI」の正しい使い道が分かってきて、小説や脚本の世界でも、AIが作家の重要な道具になる日が来るかと思います。

ただ、その道具を巧みに使う為にも、AIに頼らず物語を書き、自分のテーマを理解しておく事が大切では無いでしょうか。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

読者・観客を夢中にさせる物語を作るコツ

小説・映画などの物語の始まりからクライマックス、オチまで読者・観客を夢中にさせるにもコツがあります。

<全ての登場人物にオチをつける>

主役、準主役はもちろん、脇役に至るまで、それぞれの登場人物には、その人物の登場シーンから、その人物の物語内におけるオチまで描きましょう。

そうする事で、人物描写のリアリティーが増し、物語としてボリュームが出てきます。
つまり、お客さんが物語を楽しめるポイントが増えるという事です。

その分、やたらと登場人物を出し過ぎると、書くのが大変になるので、物語に出てくる登場人物は、必要最低限にしましょう。

<物語とは、小さな起承転結の連続体であり、物語内には階段がある>

物語内には、細分化された起承転結が存在します。

オープニングの起承転結、物語前半の起承転結、物語中盤の起承転結、物語終盤の起承転結、クライマックスの起承転結、オチの起承転結と……言う感じで、連載の物語が繋がっていく様に、一つの物語は、小さな起承転結の物語の連続体なのです。

この構造は、長編小説や2時間の映画のみならず、短編の物語も、小さな起承転結の連続体で成り立っています。

この小さな起承転結の連続が、読者・観客を夢中にさせます。

ここで、重要なのが、物語中の短い起承転結が一つ完了する度に、主役と準主役の心が、近づいていくと言う点です。

物語とは、主役と準主役の心の距離の変化を楽しむ物です。

小さな起承転結の一つ一つが、主役と準主役の心が近付いていく階段の一段一段と言えます。
(一段上がる度に、心の距離がより近づく)

その階段の最高到達点がクライマックスであり、主役と準主役の心が最も接近する箇所です。

クライマックスに向け、階段を一段づつ上がる様に、小さな起承転結を一つづつ、完成させていきましょう。

以上が、読者・観客を夢中にさせる物語を作るコツでした。

優れたハリウッド映画や、日本の人気漫画などは、上記の技術が存分に活用されています。

とは言え、理論が分かっても、実現するのは難しいです。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

某高校での小説指導の近況

花野組福岡作家塾は、昨年から、某高校で小説の書き方指導を担当させて頂いています。

一応、高校生向けと言う事で、ライトノベル講座と銘打って、授業をしてきましたが、最近は、純文学系の小説を書く生徒さんの方が増えてきました。

ライトノベルの若年層離れが進んでいると記事を読んだ事が有りますが、それを地方の高校の現場でも感じられる様になっています。

最初から文章力が豊かな学生さんも増えてきました。
様々な年代の方々の文章を読む機会があるのですが、若い人の方が上手い人は多いかもしれません。
プロットの書き方を学べば、もっと着実にしっかりした物語が書けるようになるだろうなと言う印象を受けます。

今、高校の現場で起きている現象は、数年の内に、もっと、はっきりした形で小説の世界に変化をもたらすでしょう。

また、高校などの教育現場で、小説を指導する機会やニーズも、今後、拡大する可能性もあるかもしれません。

(花野組福岡「作家塾」事務局)

ホラー映画表現のコツ「何かが起こる事を悟らせない」

本日は、ハロウィンという事で、ホラー系の映画表現のコツについて説明します。

ホラー映画の場合、お客さんを怖がらせたり、驚かせたりする事が第一の目的となります。

怖がらせるには、そもそもの設定が重要なのですが、下手なホラー映画に有りがちなのが、「これから怖い事が起こる事を悟らせてしまう」と言うミスです。

例えば、異変を知らせる表現を小出しにするとか、異変を知らせる音楽を早く出しすぎる等です。

お客さんに、これから何か起きるのねと少しでも悟らせてしまうと、どんなに映像表現を工夫しても、殆ど怖くない表現になります。

ビックリ箱と同じく、突然、何かが起きるから怖いし、驚くのです。

ですので、驚かせる映像が出る瞬間のギリギリ寸前まで、お客さんに何かが起きると如何に悟らせないかが勝負の一つになります。

しかし、お客さんもホラー映画をいくつか観る内に、ああ、そろそろ何かが起こるのだろうと鋭く予測するようになります。

そうなると、作り手は更なる工夫が必要になります。

この様にして、ホラー映画は、賢くなっていくお客さんと作り手との終わりなき心理戦の如き、表現の工夫の積み重ねで進化して行きました。

この心理戦に疲れた作り手の中には、お客さんの裏をかくのを諦めて、あえてベタなホラー表現をして、お客さんに分かっているだろうけど「お約束」を楽しんでねてと言うスタンスに立つ者も少なからず居ます。

時代ごとのホラー映画を見比べると、作り手の涙ぐましい努力の歴史を知る事が出来るでしょう。

少々、話が脱線しましたが、ホラーに限らず、通常のドラマの場合でも、「これから何かが起きる事を悟らせない」という事は、お客さんに楽しんで頂く基本的なコツの一つです。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)



物語は概ね、主役と準主役・二人の接近を描いている。

物語とは何か?と問われると、概ね「主役と準主役が近づいていく様子を描いたもの」と説明できます。

物語は、主役の視点で動きますが、主役が何を目的に動いているかと言うと、殆どの場合、「準主役」に近づく事を目的としています。

例えば、恋愛ドラマなら、主人公が恋する相手(準主役)と結ばれたくて近づくでしょう。
刑事ドラマなら、主人公が刑事で、犯人(準主役)を逮捕しようと追いかけるでしょう。
スポーツ漫画なら、主人公が強いライバル(準主役)の強さに追いつこうとするでしょう。

と、いう感じで、世の中の様々なドラマが主人公と準主役の接近を描いています。
例外もあるかもしれないので絶対とは言えませんが、多くの場合そうなっています。

特にメジャー作は、その傾向が強いです。
主人公と準主役の接近は、多くの人が理解しやすい題材だからでしょう。

重要なのは、主人公と準主役の接近とは、「心の接近」と言う事です。

心の接近は、緊張感を生みます。
恋愛ドラマに例えるなら、ドキドキする気持ちと言う事です。
(恋愛ドラマが分かりやすい事例なので引用してます)

そして、二人の心の距離が最も近づく瞬間がクライマックスです。
恋愛ドラマに例えるなら、告白する瞬間などでしょうか。

更に、二人の関係の結末(二人の関係の結論)がオチになります。
恋愛ドラマに例えるなら、主人公が準主役と結ばれたり、振られたりという事になります。

以上の事を踏まえると、物語には最低でも、主役と準主役が必要であり、その二人が居ればドラマは成立します。

また、主人公と準主役の関係が、その物語のテーマにも関わってきます。
二人の関係のオチ(結論)が、テーマに繋がるからです。

壮大なSF映画ですが、結局のところ主人公と準主役の接近を描いています。


ちなみに、映画史上、非常にユニークな主人公と準主役の関係を描いた作品として「2001年宇宙の旅」もご紹介しましょう。

「2001年宇宙の旅」は、一見すると、主人公が居るような居ないような、何とも不思議な構成をしています。

コンピューター・ハルが目立っているので、これが主人公みたいにも思えますが、「2001年宇宙の旅」のテーマ「人類の進化」から考えると、主人公が「人類」で、準主役が「宇宙人(究極に進化して神に近い存在)」です。

主人公は人類なので、最初のシーンで猿みたいな原始的な人類が登場し、準主役である宇宙人(モノリス)との出会いから壮大な物語が始まります。

この物語では、主人公「人類」が長い年月をかけて進化し、「宇宙人」に少しづつ近づいていく構成になっています。

ユニークな設定の映画ですが、やはり主人公と準主役の接近を描いているのです。

他にも主人公と準主役の設定がユニークな物語は色々とあるかと思います。

また、面白い物語を作り出すには、主人公と準主役の関係の設定が重要であり、そこに知恵を絞るべきと言えるでしょう。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

10/28(土)「作家塾・無料レッスン」を開催

<お申し込みが満員になりました!>

作家塾では、不定期で「無料お試し授業」を福岡市内で開講します。

お試し授業では、小説や脚本の書き方の基礎や、プロットの書き方についての授業を1時間ほど行います。

小説や脚本を書きたいけれど書き方が分からないと言う方や、作家塾や、プロットの書き方にご興味がある方など、どうぞお気軽にご参加ください。

尚、ご参加にあたって、下記の点にご注意をお願いいたします。

ご参加には、事前のご予約が必要です。

・小説や脚本の添削は行いません

・1回までのご利用となります。

・定員5名です。

尚、10/28(土)の無料お試し授業の参加者は満員になりました。(有難うございました!)

次回の「無料お試しレッスン」は、来年以降の開催を予定しています。

次回も、皆様のお申し込みをお待ちしています!

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)