小説・映画などの物語の始まりからクライマックス、オチまで読者・観客を夢中にさせるにもコツがあります。
<全ての登場人物にオチをつける>
主役、準主役はもちろん、脇役に至るまで、それぞれの登場人物には、その人物の登場シーンから、その人物の物語内におけるオチまで描きましょう。
そうする事で、人物描写のリアリティーが増し、物語としてボリュームが出てきます。
つまり、お客さんが物語を楽しめるポイントが増えるという事です。
その分、やたらと登場人物を出し過ぎると、書くのが大変になるので、物語に出てくる登場人物は、必要最低限にしましょう。
<物語とは、小さな起承転結の連続体であり、物語内には階段がある>
物語内には、細分化された起承転結が存在します。
オープニングの起承転結、物語前半の起承転結、物語中盤の起承転結、物語終盤の起承転結、クライマックスの起承転結、オチの起承転結と……言う感じで、連載の物語が繋がっていく様に、一つの物語は、小さな起承転結の物語の連続体なのです。
この構造は、長編小説や2時間の映画のみならず、短編の物語も、小さな起承転結の連続体で成り立っています。
この小さな起承転結の連続が、読者・観客を夢中にさせます。
ここで、重要なのが、物語中の短い起承転結が一つ完了する度に、主役と準主役の心が、近づいていくと言う点です。
物語とは、主役と準主役の心の距離の変化を楽しむ物です。
小さな起承転結の一つ一つが、主役と準主役の心が近付いていく階段の一段一段と言えます。
(一段上がる度に、心の距離がより近づく)
その階段の最高到達点がクライマックスであり、主役と準主役の心が最も接近する箇所です。
クライマックスに向け、階段を一段づつ上がる様に、小さな起承転結を一つづつ、完成させていきましょう。
以上が、読者・観客を夢中にさせる物語を作るコツでした。
優れたハリウッド映画や、日本の人気漫画などは、上記の技術が存分に活用されています。
とは言え、理論が分かっても、実現するのは難しいです。
(花野組福岡「作家塾」運営事務局)
某高校での小説指導の近況
花野組福岡作家塾は、昨年から、某高校で小説の書き方指導を担当させて頂いています。
一応、高校生向けと言う事で、ライトノベル講座と銘打って、授業をしてきましたが、最近は、純文学系の小説を書く生徒さんの方が増えてきました。
ライトノベルの若年層離れが進んでいると記事を読んだ事が有りますが、それを地方の高校の現場でも感じられる様になっています。
最初から文章力が豊かな学生さんも増えてきました。
様々な年代の方々の文章を読む機会があるのですが、若い人の方が上手い人は多いかもしれません。
プロットの書き方を学べば、もっと着実にしっかりした物語が書けるようになるだろうなと言う印象を受けます。
今、高校の現場で起きている現象は、数年の内に、もっと、はっきりした形で小説の世界に変化をもたらすでしょう。
また、高校などの教育現場で、小説を指導する機会やニーズも、今後、拡大する可能性もあるかもしれません。
(花野組福岡「作家塾」事務局)