小説・脚本の書き方ヒント集

小説や脚本を書いてみたい方には「花野組福岡・作家塾」へのご参加をおすすめします。

しかし、お住まいが福岡から遠いなど、ご入塾が難しい方向けに物語の書き方のヒントを以下にまとめてみました。

まだまだ、書きかけの文章ですので誤字脱字あったり、将来的に加筆・修正したりするかと思いますが、少しでも皆様の助けになりましたら幸いです。

小説や脚本を書きたい方は、先ずは「プロット」を書きましょう。

「プロット」とは、物語のあらすじの事です。

概ね文字数800字程度で、物語の始まりから終わりまでを書きます。
プロットを書く事で、物語の全体の構成を練る事できます。
そして、プロットが完成した後、小説や脚本の本編を書くと、効率良く作品を完成できます。

作家の初心者でも、プロットを書く事で作品を完成させ易くなります。
途中で筆を放り出す心配を減らせるのです。
また、プロットを理解すれば、物語の正しい読み方も分かります。

プロットは、小説やシナリオを深く理解するための有効な技術なのです。

作家になるならプロットは心強い味方。

昔から主に小説を書く人の間で、プロットを書いた方が良いと言う意見と、プロットは要らないという意見の二つに分かれています。

結論を言うと、プロットを書かなくても小説を書く事は可能です。
ただし、効率は悪くなるでしょう。
特にリライト(書き直し)が面倒になります。
小説の書き直しは、プロでも苦労します。

しかし、プロットなら800字前後と短いので、直ぐ読めて、何度も手直しやすいです。また、人に読んで貰いやすくなるので、様々な意見も得られます。

この様にプロットは、作家が効率良く仕事をするツールとして有効です。

また、脚本家にはプロットは必要不可欠です。
脚本の仕事をする際、まずは、プロットで打ち合わせする事が常だからです。

また、小説コンペの応募規定で「あらすじ」をつけて提出する事が多いですが、この場合、「あらすじ=プロット」という意味です。

また、編集・プロデューサー・ディレクター職の人にとっても、プロットの書き方や読み方を知っていた方が仕事上、有利でしょう。(むしろ、知らないと仕事にならないでしょう)

この様に、プロットの技術を知っていた方が、色々と得かと思います。


プロットの書き方の基本ルール

文字数は800字程度に
プロットの文字数は800字前後にしましょう。短編であれば、400字でも良いです。
文字数を制限する事で、物語に必要な事だけ書くので、全体の構成が見えやすくなります。

縦書きで書く
日本の小説·脚本業界で書くなら、基本的に縦書きです。

登場人物に名前をつける
基本的に登場人物には名前をつけましょう。キャラクターに感情移入しやすくなります。

プロットに登場する人物は最小限に
プロットに出てくる登場人物は、物語に深く関わる人物に限定しましょう。慣れない内は「主人公」「準主役」「3番手(準々主役)」「4番手」までに留めておくと分かりやすいです。

主人公を主語にする。
物語は、基本的に主人公視点で動きます。
ですので、プロットの主語も、主人公になります。

きちんとオチまで書く
プロットはオチまで書きましょう。
オチとは、作者が考える、その物語の結論であり、
オチが無ければ完成とは言えません。
また、作家の力量が問われる箇所です。
ただし、夢オチ、ループオチは避けましょう。


主人公について

主人公は、唯一無二の存在
一つの物語につき、登場する主人公は、基本的に一人です。
オムニバス映画などで、複数、主人公が登場している様に見える物があります。
しかし、オムニバスとは、複数の短編物語が集まったものなので、やはり、一つの物語に主人公は一人なのです。

主人公は作者自身
主人公は、作者の分身と思って書きましょう。
作者自身が、その物語の主人公となり、その世界を体験すると言う感覚が大切です。
作者が感情移入した物語に、読者や観客も夢中になれるのです。

主人公は受け身になってはいけない
基本的に、主人公は、自分の意思で動いていく存在です。
主人公の行動は、基本的に主人公自身の意思で決定される事が望ましいです。
特に、クライマックスでは、主人公自身の決意を伴った行動を求められます。
主人公は、自身の意思で動いてこそ、主人公なのです。

物語の始まりと終わりで主人公が大きく変化していた方が面白い
主人公が物語の始まりと終わりで全く違っていた方が面白いです。
良くあるのは、ダメな奴だった主人公が、物語の終わりで大きく成長している物語です。
主人公が、成長する物語は王道で、作者も読者も感情移入しやすいですし、書きやすいかと思います。
また、主人公の成長は、準主役への接近を通じて、達成されます。


準主役について

物語とは、概ね主人公と準主役が接近する様子を描いたもの


準主役は主人公にとって、最も重要度が高く、最も心を動かされる存在でです。

そして、物語で主役が何を目的に動いているかと言うと、多くの場合、「準主役」に近づく事を目的としていませんか?

例えば、恋愛ドラマなら、主人公が恋する相手(準主役)と結ばれたくて近づくでしょう。
刑事ドラマなら、主人公が刑事で、犯人(準主役)を逮捕しようと追いかけるでしょう。
スポーツ漫画なら、主人公が強いライバル(準主役)の強さに追いつこうとするでしょう。

……と、いう感じで、様々な物語で主人公が準主役へ「接近」していく様子を描いていますので、物語とは、概ね「主役が準主役へ近づいていく姿を描いたもの」と言えるでしょう。

また、準主役が人間でない事もあります。
準主役がもの言わぬ動物・自然・機械・超自然である場合もあります。
有名な例では、映画「激突」、映画「ジョーズ」、映画「2001年 宇宙の旅」がそれにあたるでしょう。

世界中の様々な小説・漫画・映画で、多種多様な主人公と準主役の関係が描かれてきました。
そして、名作ほど、主人公と準主役の関係に独自性があり魅力的です。


3番手について

準主役の次に重要度の高い登場人物は「3番手」です。
3番手とは、主人公にとって、準主役の次に重要な相手になります。
しかし、主人公にとって3番手は(準主役の様に)近づいていくべき対象ではありません。

尚、3番手が主人公と敵対する相手である事もあれば、主人公にとって味方の場合もあります。

物語には、最低でも3番手まで居た方が書きやすくなります。
3番手の役割を説明するのは難しいのですが、3番手が居る事で物語を動かしやすくなるのは確かです。


4番手以下について

4番手以下の登場人物とは何でしょうか?

これも、主人公にとっての重要度の高さでランク付けされる登場人物達です。
例えば、主人公にとって4番目に重要な登場人物=4番手、5番目に重要な登場人物=5番手、6番目に重要な登場人物=6番手……という感じです。

尚、プロットに書く登場人物は、4番手までにしておきましょう。
登場人物が多すぎると、プロットを書くうえで、ややこしくなるからです。
もちろん、小説や脚本の本編を書く時は、もっと多くの登場人物が出て大丈夫です。

また、4番手以下の登場人物達は、物語にバラエティー感を出すために役立ちます。
4番手以下の登場人物も、登場シーンが少ないとしても、一人一人、名前もつけて丁寧に書きましょう。


物語の流れは、大体こういう感じになります。

物語の「起承転結」について

物語における「起承転結」は、国語の時間に習った起承転結とは少し違います。
物語における起承転結の最大の特徴は「承の中に起承転結」がある事です。

物語の起承転結とは、主人公が準主役に近づこうとする奮闘とそれに伴う心の変化
物語とは、概ね、主人公が準主役に近づこうと奮闘し、その際に生じる心の変化を描いたものです。

「起」で、主人公が登場する
物語の始まりが「起」です。
ここで主人公が登場し、どんな人物で、どの様な世界にいるか描かれます。
(例えば、主人子は高校生で、どこの高校に通っているか等)

「承」で、主人公と準主役が出会い、互いに近づいていく様子を描く
承は、物語全体で最も長くボリュームがある箇所です。
そして、承の中に<起・承・転・結>があります。

・承の起 「承の起」は、主人公と準主役が出会う部分です。
これ以降、「主人公と準主役の接近の変化」が書かれる事になります。

・承の承 主人公と準主役が更に接近。

・承の転 主人公と準主役が更に更に接近。

・承の結 主人公と準主役の接近が最高潮に達する一歩手前。

「転」では、主人公と準主役が最も接近する
物語で最も盛り上がる箇所「クライマックス」です。
ここでは、主人公と準主役の関係が最も接近します。
そして、主人公と準主役・両者の気持ちが最も盛り上がり、激しく動き、衝突します。

例えば、恋愛ドラマなら、告白するなど主人公と準主役の心の距離が最も近づきます。
主人公と準主役が敵対するドラマなら、最大の激突がクライマックスで行われます。

「結」では、主人公と準主役の接近の結末を描く
物語がクライマックスを迎えたら、速やかにラストを迎えましょう。
結は、主人公と準主役の接近の結末を描くところです。

恋愛ドラマなら、その恋は成就したのか?失恋したのか?
主人公と準主役が敵対するドラマなら、どちらが勝ったのか?などです。

結末のつけ方は、その作者の性格・人生観とも深く関係します。
それは、作家のテーマにつながる部分です。
大切な事は、如何なる結末であっても、作者が嘘をつかない事です。

悲劇的で捻くれた結末であっても、それが作者の本心なら正しい結末と言えます。

結末は作者にとって、とても重要です。
決して妥協せず、作者が信じる真実の結末を描きましょう。
正しい結末が書ければ、それを支持してくれる人が必ず現れるのも確かなのです。

以上、「起承転結」の解説でした。


クライマックスとオチは最難関


文章力に自信がある人なら、大抵の場合、クライマックスの手前(承の結)までは書けます。

多くの人が書いてて壁に当たるのが、クライマックスとオチです。ここを乗り越える事が優れた物語を書けるかどうかの分かれ目になります。


物語の書き方おさらい

①まずはプロットを書きましょう。(プロットとは800字程度の物語のあらすじ)

②主人公が受け身キャラにならないように。自分から行動してこそ主人公。

③準主役・3番手くらいまでは居た方が物語は書きやすい。キャラが多すぎても書きにくい。

④多くの物語が、主役が準主役に近づいていく奮闘を描いている。

⑤クライマックスは、主役と準主役が最も接近するところ。

⑥結末・オチは、主役と準主役の接近の結末を描く。

⑦オチの付け方に作家の力量は問われる。

すいません……未だ未だ書きかけです。

拙くて長い文書に関わらず、ここまで読んで下さった方、深く感謝いたします。

物語の書き方については、作家塾でも新たな発見が続いていて、これまで読んで下さった事も、後日、書きかえるかもしれませんが、その際は、どうかお許しください。

今後も、物語を書きたいと頑張っておられる方々のヒントになる記事を書けますように、今後も努力を続けます。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)