物語での”感動”とは主人公が正しい道を歩む瞬間。

感動作とは、心の修行の物語なのです。

良く映画や漫画・小説の宣伝文句で”感動の物語!”という言い方をしますが、
そもそも、物語における「感動」とは何でしょうか?

先に答えを言うと、物語のおける感動とは「主人公が正しい道を歩む瞬間」です。

いわゆる感動作と言われる作品を分析すると、概ねクライマックス部分で、主人公が「正しい道」を歩んでます。

例えば、悪人だった主人公が、様々な経験を経て、最終的に正しい生き方を始める……という構成は、感動作に良くあるパターンではないでしょうか。

もしくは、悲しい出来事に直面して主人公が、クライマックスで悲しみを乗り越え、より精神が強い人間に成長すると言うパターンも良くあります。この場合は悲しみを乗り越える時が正しい道を歩む瞬間になります。

色々な感動作パターンがありますが、要は「主人公の心の研鑽」です。
以下、その例を挙げてみました。

①「改心」最初、悪い心を持っていた主人公が、最後、良い心になる。
②「意識改革」普通の心を持っていて平凡な生き方をしていた主人公が、最後、それまでとは違う、より意識の高い生き方を選択する。
③「聖人化」そもそも良い心を持っている主人公が、最後、伝説級に崇高な精神を獲得する。

大体、①、もしくは②が感動作に多いパターンでは無いでしょうか?また、③も稀にありますが、これを描くとなると作り手にも相応の精神が求められます。

また、あまりに主人公が崇高すぎると、観客や読者がついていけなくなる場合があります。
主人公は、一般人に近い精神レベルの人物が望ましいでしょう。(誰もが持つ悩みがあるとか)

そういう人物の心が磨かれ、意識の高い生き方へと発展する様子に観客や読者は感情移入し、クライマックスで主人公と同じく心が磨かれた様な気分になって感動します。

この様に物語における「感動」とは漠然としたものでは無く、法則があるのです。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

3月9日(土)映画「夢之旅団」上映会が終了しました!

会場の「旧大連航路上屋」には沢山の方にお越し頂きました。

先日の2024年 3月9日(土)、北九州市・門司港での映画「夢之旅団」上映会は、無事に終了しました。

地元の北九州、下関、福岡などから多くのお客様にお越し頂き、上映会は大いに盛り上がりました。

お忙しい中、お越し頂いた皆様に心から感謝いたします。

花野組福岡では、今後も映画を作り続けます。

更なる発展にご期待頂けましたら幸いです。

(花野組福岡 制作担当:花野孝史)

映画「夢之旅団」チラシ 表裏

映画「夢之旅団」を3/9(土)に門司で上映します!

作家塾の講師でもある映画監督「花野純子」の最新作であり、「花野組福岡」が企画・製作した映画「夢之旅団」(ゆめのりょだん)が公開されます!

映画「夢之旅団」は、北九州市 門司港と佐賀市を主な舞台になっています。

佐賀生まれの洋画家「岡田三郎助」をモデルにした主人公「夢野三郎」が門司港にスケッチ旅行に出かけた際に不思議な体験をするファンタジー映画です。

門司港や佐賀の美しい風景と俳優さん達の熱演も魅力的です。

また、上映会場「旧大連航路上屋」ホールも、その周辺が観光地なので、映画だけでなく観光旅行もお楽しみ頂けます。

皆様、ぜひ映画の詳細を<花野純子 公式サイト>にてご確認下さい!
チケットご予約も受付中です。

前売りチケットは、1,000円です!

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

明日、1/28(日)嬉野温泉・和多屋別荘で「小説の書き方講座」を開催!講師は、作家塾・花野純子

いよいよ明日1/28(日)13時〜より嬉野温泉・和多屋別荘にて「小説の書き方講座」が開催されます❗️

講師は、作家塾講師・花野純子です。

参加費無料の講座で、物語の起承転結・プロットの基礎などを楽しく学べます✨

講座の後は、和多屋別荘の豪華な温泉をお楽しみ下さい‼️

イベント詳細・参加お申し込みは、和多屋別荘公式サイト

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

【三服文学賞イベント第2弾】プロが教える、小説の書き方講座 1月28日に開催します!

<今年も作家塾・花野純子が講師を担当させて頂きます!>

昨年に引き続き、佐賀県・嬉野温泉「和多屋別荘」内にある「BOOKS&TEA三服」にて作家塾・花野純子が講師を担当させて頂く「プロが教える、小説の書き方講座」が開催されます。

これは、和多屋別荘が主催する小説コンペ「三服文学賞」の関連イベントで、とても綺麗なブックカフェで小説の書き方の基礎を楽しく学べる講座です。

参加費は、無料なので、嬉野温泉に遊びに行くついでに、ご参加頂けましたら幸いです。

詳細の確認・ご参加申し込みは、和多屋別荘の公式サイトをご覧ください。

・和多屋別荘「プロが教える、小説の書き方講座」詳細・参加申し込み

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

作家塾・今年もよろしくお願いいたします。作家塾の近況も。

もう1月も半ばですが、新年のご挨拶と作家塾の近況をご紹介します。

3月に制作している映画の上映会を控えている関係で、ブログの更新が滞りがちです。
今年は、ブログが少しでも停滞しない事を目標にしたいです。

さて、昨年は、作家塾の生徒の皆様に頑張って頂いたお陰で、いくつかの小説・脚本コンペで入選まで、あと一歩と言う所までの結果が出せました。また、今現在、一次審査を通過し、選考中の作品もいくつかございます。

近年の小説・脚本コンペは、かなり応募数が多く、予選を突破するだけでも何十倍という倍率を勝ち抜かなければならないので、最終選考にまで残った事は凄い事だと言えます。

今年こそは、入選という結果が出る事を期待しています。

作家塾の近況をご紹介しますと、今現在の、やや女性が多く、20代〜60代の世代の方々にご参加頂いています。

また、最近は、新たにご入塾したばかりの方が半数くらいでして、基礎的な講義も含めて、初心者向けの授業が少しだけ多めになっています。

講義内容としては、物語の起承転結の意味や、プロットの書き方の基礎などです。

初心者の方にご参加頂くには、今は、参加しやすい雰囲気かと思います。

少しでも、作家塾に、ご興味がある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

今年も、何卒よろしくお願いいたします。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

2023年の作家塾を振り返って。

先日、年内最後の作家塾の授業が終わりました。
そこで、2023年の作家塾を振り返ってみます。

今年は、コロナが終息した事も関係したのか、年間通して生徒さんの数が多く、20代〜60代と幅広い世代の生徒さんが楽しく切磋琢磨し、活気がある授業が展開できたと思います。

また、受賞こそしなかったものの、「ロマン大賞」や「新人シナリオコンクール」等の小説や脚本のコンペで最終選考まで残り、惜しい所まで進んだ事例が幾つもありました。

そういう意味で、惜しかったけれども、生徒さんの実力は着実に磨かれた年であったと思います。来年に大いに期待出来るとも言えるでしょう。

尚、年明け前半には、作家塾の授業以外に、学IWATAYAなどで作家塾・出張授業も担当させて頂く予定です。

そういった情報も、年始から、順次、ご紹介させて頂きます。

来年も、作家塾の活動にご注目頂けましたら幸いです。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

映画のファーストカットとラストカットの決め方。

Cinematographer Arthur Edeson, Humphrey Bogart and Ingrid Bergman, “Casablanca” 1942 Warner

今回は、映画の話をさせて頂きます。

それも、ファーストカットとラストカットに特化した、ややマニアックは話題です。

映画の始まりの一番最初の映像が「ファーストカット」
映画の終わりの一番最後の映像が「ラストカット」

この両者をどんな映像にするのか、実は、かなり難しいです。

ファーストカットは、その映画の世界にお客さんを誘う(いざなう)ものです。
それ故、ファーストカットの画がどうでも良い筈がなく、誠実な映画の作り手なら、どんな画にするべきか、あれこれ検討します。

派手なら良いとか言う単純な問題ではなく、その映画を象徴する物でなければ、お客さんの心に深く届きません。

それは、映画監督の作家性とも関係します。

映画の巨匠たちが作る映画のファーストカットは、作家毎に千差万別で独自性があります。
ベルイマンの「叫びとささやき」、キューブリックの「2001年宇宙の旅」、黒澤明の「影武者」….例を挙げたらキリがありませんが、どれも素晴らしいファーストカットです。

また、逆にラストカットですが、これは、新体操の着地に相当する物で、綺麗な着地が求められます。
映画を観ていただいたお客様に素晴らしい余韻を持って映画館を後にして頂く為にも重要です。
ラストカットは「終わり良ければ全て良し」であると同時に、「終わり駄目なら全てが無駄」に成りかねないのです。

映画の巨匠による映画のラストカットも、千差万別であり、素晴らしい物ばかりです。
ミロス・フォアマンの「アマデウス」、キャロル・リードの「第三の男」、変わり種では、ジョン・カーペンターの「ゼイリブ」のラストカットも皮肉っぽくて良いですね。

映画のファーストカットとラストカットが重要で深刻な物である事を少しでもお分かり頂けたでしょうか。

そして、この映画のファーストカットとラストカットは、大抵の場合、制作工程の、最後の最後に同時に決まります。

映画のファーストカットとラストカットが決まった瞬間は、映画が作り手の手を離れる瞬間でもあります。

その瞬間は、達成感・安心感と共に、長い旅の終わりの寂しさも伴う物です。

これは、映画の作り手のみが味わう感覚と言えるでしょう。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)



AIには「テーマ」が持てない。生きてないから。

最近、小説・脚本界隈でもAIの登場は大きなインパクトがあって、悲喜交々、様々な意見が飛び交っています。

ところが、それら意見の中で、あまり言われていない事として「テーマ」の問題があります。

小説・映画などの物語には、必ず「テーマ」があります。

ここで言う「テーマ」とは「お題」の事で無く、「作家が作品で述べたい事=テーマ」と言う意味です。

その上で、はっきり言える事は、AIには「テーマ」がありません。
何故なら、AIは、生きた存在では無いからです。

「テーマ」は、作家の人生と共にあります。

その作家が、どの様な生き方をしてきたか?と、言う事が「作家が作品で述べたい事=テーマ」に強い影響を与えます。

作家の人生ごとに、その作家のテーマがあり、それが作家の個性に繋がるのです。

それ故、人生を歩んでいないAIには「テーマ」が無いと断言できます。

また、AIには「作家としての拘り」も無いでしょう。

今後、科学が発達し、鉄腕アトムの様に人間同様に長い時間をかけて育てられて「心」が芽生えたら話が別ですが、現在の人類の科学力では、遠い未来の話になりそうです。

尚、いずれ「物語の書く道具としてのAI」の正しい使い道が分かってきて、小説や脚本の世界でも、AIは重要な存在になるかと思います。

ただ、その道具を巧みに使う為にも、AIに頼らず物語を書き、自分のテーマを理解しておく事が大切では無いでしょうか。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

読者・観客を夢中にさせる物語を作るコツ

小説・映画などの物語の始まりからクライマックス、オチまで読者・観客を夢中にさせるにもコツがあります。

そのコツは、以下の通りになります。

<全ての登場人物にオチをつける>

主役、準主役はもちろん、脇役に至るまで、それぞれの登場人物には、その人物の登場シーンから、その人物の物語内におけるオチまで描きましょう。

そうする事で、人物描写のリアリティーが増し、物語としてボリュームが出てきます。
つまり、お客さんが物語を楽しめるポイントが増えるという事です。

その分、やたらと登場人物を出し過ぎると、書くのが大変になるので、物語に出てくる登場人物は、必要最低限にしましょう。

<物語とは、小さな起承転結の連続体であり、物語内には階段がある>

物語内には、細分化された起承転結が存在します。

オープニングの起承転結、物語前半の起承転結、物語中盤の起承転結、物語終盤の起承転結、クライマックスの起承転結、オチの起承転結と……言う感じで、連載の物語が繋がっていく様に、一つの物語は、小さな起承転結の物語の連続体なのです。

この構造は、長編小説や2時間の映画のみならず、短編の物語も、小さな起承転結の連続体で成り立っています。

この小さな起承転結の連続が、読者・観客を夢中にさせます。

ここで、重要なのが、物語中の短い起承転結が一つ完了する度に、主役と準主役の心が、近づいていくと言う点です。

物語とは、主役と準主役の心の距離の変化を楽しむ物です。

小さな起承転結の一つ一つが、主役と準主役の心が近付いていく階段の一段一段と言えます。
(一段上がる度に、心の距離がより近づく)

その階段の最高到達点がクライマックスであり、主役と準主役の心が最も接近する箇所です。

クライマックスに向け、階段を一段づつ上がる様に、小さな起承転結を一つづつ、完成させていきましょう。

以上が、読者・観客を夢中にさせる物語を作るコツでした。

優れたハリウッド映画や、日本の人気漫画などは、上記の技術が存分に活用されています。

とは言え、理論が分かっても、実現するのは難しいです。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)